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あなたはなにで豊かさを感じますか
海外からの飛行機がオーストラリアに到着すると、乗客を降ろす前に検疫官が機内に乗り込み、客室内を消毒していたという話を聞いたことがある。四方を海に囲まれたオーストラリアには、ほかの地域に生息する害虫や病原菌の多くが存在しないので、もし、それらの害虫や病原菌が持ち込まれると、オーストラリア特有の動植物に影響を与えるために検疫は厳しくしていたらしい。十数年前に私がオーストラリアに行った時にはそのような厳しさはなかったが、到着する直前に客室乗務員がスプレー缶を機内の天井に向けて噴霧しながら通路を歩いていた。この程度のことで害虫や病原菌が死滅するとも思えないから、厳しかった頃の名残としてのセレモニーであったのだろう。
しかし、自然を大切にして、共生していこうとするオーストラリア人の思いは充分に伝わってきた。

赤茶けた広大なオーストラリア大陸の南東にあるヴィクトリア州の州都メルボルンを私は訪れた。メルボルンは、かつてオーストラリアの首都であった。街のいたるところに公園があり、きれいに手入れされた芝生と木々の緑が英国調の古い建物と近代的な建物をうまく融合させて、調和の取れた落着きのある街を形成している。
ここはまた、スポーツや芸術が盛んで、1956年には南半球で最初のオリンピックが開催されたし、全豪オープンテニス、クリケット、メルボルンカップ・ダービー、F1レースも毎年おこなわれている。芸術面に於いても国立ギャラリーやメルボルン・シンフォニーは有名である。

11月初めから12月の半ば過ぎまでの一ヶ月半、私は仕事でここに滞在することになった。南半球はちょうど初夏の頃で過ごしやすい時期である。一緒に仕事をした人々はみな親切で、陽気で大らかなオージーばかりであった。夕方、6時頃には警備員がオフィスのドアをロックして廻るので、5時を過ぎると帰宅する。日本で、私は毎日夜の8時頃まで仕事をしていたので、こんなことでいいのだろうかと思ったりもした。日本のように仕事帰りにちょっと一杯という習慣もないので、みんなまっすぐに家に帰る。この時期はサマータイムなので、夜の8時半頃まで外は明るいから、家族団らんの時間はたっぷりとある。
郊外にある住宅のほとんどが平屋建てで敷地も広く、どこの家にも芝生の庭があって、プールやテニスコートを備えた家もめずらしくはないが、日々の生活に贅沢さは感じられない。食事も割りと質素だし、古いものでも大事に使っていこうとするところがある。私がその頃、8年間乗った車を買い替えたので、そんな話をしながら「日本では同じ車に10年以上も乗ることは珍しい」というようなことを言ったら、「もったいない、まだ十分に乗れるのに」と簡単にあしらわれてしまった。たしかに、ここでは20年以上も前の古い日本車はめずらしくはないし、週末になるとそうした古い車でもキャンピングカーを牽引してフリーウエイを時速100キロ位で堂々と走っていた。

そういえば最初の頃は毎日、オフィスの近くのレストランで昼食を取っていた。10オーストラリアドル(日本円で700〜800円)位だったので、日本でのランチの値段と比較して高いというほどでもないのだが、彼らからすれば「金持ち日本人の贅沢なランチ」に見えたのかもしれない。いやみっぽいこと言われて、それ以来「郷に入っては郷に従え」で、サンドイッチとソフトドリンクで3〜5ドル程度の昼食にした。
やっぱり日本人は、知らず知らずに贅沢な国民になってしまったのだろうか。
オーストラリアの国民一人当たりのGDPは日本の6割程度である。主な産業といえば広大な国土を背景に、農業、鉱業といったいわゆる一次産業の比重が大きく、自動車や家電製品、日用雑貨類の多くも日本を始め海外に依存していた。移民を受け入れていたせいか失業率も高く(当時は)、メルボルン大学の大学院を卒業してもパーマネントポストに就けない人もいた。

自然を大事に保護して、自然と共に生きていく。
あくせくすることもなく、贅沢を求めることもなく、日々の生活を楽しみながら生きていく。
多民族国家であるために多様な文化を受け入れて、お互いに異文化を尊重し合いながら生きていく。
開拓時代に先住民族との間であった悲惨な歴史にもきちんと向き合って生きていく。
当たり前のことが、生活の中にきちんと根付いている。わたしは、ここに成熟した豊かな国を見たように思う。

今の日本では、お金さえ出せばなんでも手に入る。物質的には満たされていても「豊かな国」とはとうてい思えない。利益至上主義がはびこり、日本を代表するような企業の不祥事が相次いでいる。第二次大戦で多大な被害を与えたのに、未だに近隣諸国の感情を逆なでするような発言や行動をする政治家がいる。日本が世界から尊敬されるような時代はいつになるのだろうか。

16日(金)の新聞(河北新報、朝日新聞)に、国連開発計画(UNDP)が発表した国民生活の豊かさを示す「人間開発指数」という記事が載っていた。それによると、177カ国の中でオーストラリアは第3位とのこと。これは納得できる順位である。しかし、日本の「豊かさ」は米国に次いで第9位というのだが、私の実感ではもっともっと順位が低いような気がする。
| runway | 独り言 | 22:59 | comments(5) | trackbacks(1) |
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 ある時期から日本人はすっかり変ってしまったようですね。
「清貧の思想」に代表されるような、何も無いことにも豊かさを感じるというような心の持ち方はできなくなってしまったようです。ただどこかにはまだそんなことに郷愁を持つ人々もいて、この本がベストセラーにもなったのですね。
 たしかに日本人には過去の悪かったことを直視するというのが苦手な民族かもしてないと思っています。しかし反省のないところに前進なしです。
 戦後のアメリカの一方的な豊かさだけに目がいってしまい、中途半端な豊かさのみを手に入れてしまったのが現状なのではないでしょうか。
 しかし2億円の宝くじを寄付した人などを見ると、日本人もまだまだ捨てたものではないと思うのです。
| watari41 | 2004/07/27 8:45 AM |
オーストラリアにもいろいろ問題はあるのですがね。年配の人の中には白豪主義的な考えも残っていて、非英語圏の人を見下すようなところもあったりします。
日本の若い方にはどんどん海外にでかけて、外から日本を眺めてもらいたいですね。良い部分、悪い部分がよく見えることでしょう。そうした人達が日本の中枢で活躍するようになったら、だいぶ世の中も変わるように思いますし、またそうなってほしいと期待します。
| runway | 2004/07/28 5:48 AM |
オーストラリアの記事興味深く読ましていただきました。時間がゆったり動いてるような国ですね。今日の河北抄にのってましたが東京圏限定無料雑誌R25 25歳〜34歳の「団塊ジュニア」はニュースの見出しは見るが長い記事は読みたくないでも知っておきたい 「この人たちに活力を掘り起こせないか」と言うことで出版されたそうですが runwayさんのコメントにあるようにこの人たちがこれからの日本の心の時代を築いてもらうことを期待してやみません。

う目的で出版されたとか
| seten | 2004/07/31 7:32 PM |
戦後、物質的な豊かさを追い求め、ひたすら走り続けた日本人でしたが、経済至上主義で快適と便利を得た現在は反面で失われた代償があまりにも大きかった事に、私達は今、気づきはじめました。自然環境の破壊や社会秩序や家族の崩壊などです。本当の心の豊かさをもう一度取り戻さなければなりません。日頃のこころがけで私達が出来る小さなことから実践したいと考えております。
| michiko | 2004/08/01 6:19 AM |
皆さん、コメントありがとうございました。
日本人は農耕民族ですから、自然や他の人への思いやり、優しさがあるのですが、多分バブルの頃から欲がでて、ちょっとおかしくなったのでしょうね。
何かをきっかけに、よい方向にいきそうな気がします。
| runway | 2004/08/03 4:01 AM |









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