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NPOのIT化を支援する
 宮城県内でNPOの中間支援活動をしている「特定非営利活動法人杜の伝言板ゆるる」が発行している機関紙「事務局通信2012号」に、理事の佐藤和文氏が「ソーシャルメディアを活用しよう」と題して、NPO(非営利団体)が市民から支持されるには、自らの活動について積極的に情報発信することが重要であると指摘し、広く普及しているソーシャルメディアを積極的に利用すべきだと述べています。

 

宮城県が平成20年度におこなったNPO活動実態・意向調査によると、NPO法人で情報発信手段としてホームページを使用しているのは、調査に答えた団体の約23%となっています。私がNPO法人のサイトを閲覧しているとき、長い期間掲載内容が更新されていない、いわゆる休眠サイトを多く散見します。こまめに情報を更新するなどして、積極的に情報発信に利用している団体は、恐らくNPO法人全体の10%にも満たないのではと推測しています。

 更に、宮城県の調査によると、NPOが活動上の問題点として、「PRの不足」「社会的な理解、認知の不足」を挙げており、また行政に対しても「行政職員がNPOに対する正しい理解をもつこと」を挙げています。つまり、NPO自ら団体の目的・使命や活動などが市民や行政に伝わっていないことを認めているのです。

 

 なぜ、情報発信に効果的と思えるホームページが積極的に使われないのでしょうか。それには次のような理由が考えられます。

ž   スタッフの高齢化です。内閣府の調査によるとNPOのスタッフの多くが50歳代あるいは60歳代以上との結果があります。情報発信の重要性・必要性は認めているがITに関する知識・経験に乏しいといえます。このことは、スタッフ間のコミュニケーションがメール中心で効率的ではないことや、情報の共有化も十分でないことからホームページがあっても掲載している内容が整理されていないという状況にもなっています。

スタッフの高齢化と共に、「活動・事業の担い手の不足」、「次期リーダーが育っていない」という問題も指摘されています。

ž   財政規模の小さいNPOが多く、ホームページの制作や維持管理を専門業者に外注化するほどの余裕がありません。

ž   NPOを支援してきた中間支援組織も、会計・税務・労務についての相談会や研修会の支援が中心になっていて、人材不足などからIT分野に関する支援が十分ではなかったといえます。

 

 では、これからどうすればNPOの情報発信に展望が開けるのでしょうか。幸い、ここ数年前から以下のようなITを取り巻く環境に大きな変化があります。

ž   パソコンに加えてスマートフォンやタブレット端末などの普及で、どこにいても簡単に情報(文字、写真、動画など)の閲覧と入力ができるようになっています。

ž   クラウド・コンピューティングで、廉価で多様なサービスが提供されています。

ž   テキストや画像などがあればホームページとして情報発信できるCMSContent Management System)が普及し、それほど専門的な技術がなくてもWebサイトを構築できるようになっています。

ž   SNSSocial Network System)、特にフェイスブックを使うとスタッフ・会員間のコミュニケ―ションや情報の共有化が効率的にできるようになっています。

 

 つまり、これまでNPOにとって障害になっていると思われていた専門的な知識がないからできない、お金がかけられないといった問題は一応取り除かれたといえます。後は、個々のNPOの要求に応じてソーシャルメディアをどのように活用するかをコーディネートし、うまくいくように継続的な支援をしてくれる中間支援組織が待たれます。

 

 私は昨年から、CMSとして知られているWordPressの講座(1コース12時間)を3回実施しました。受講者は50〜70歳代でしたが、最後はレンタルサーバーでホームページを立ち上げるところまでできたので、これをNPOに広く普及させることは難しいことではないと感じています。

 また、シニアを対象にしたフェイスブックの講座も開催しました。日本人はなかなか自分の考えを、特に実名で公開することに抵抗があると言われています。しかし、フェイスブックは、限られたメーンバーだけでメッセージや写真・動画が共有できるなど、様々な優れた機能を備えているので、メールよりも効率的にコミュニケーションのできるツールであるといえます。このことがよく理解されると、シニア世代にも更に支持が広がることでしょう。

 

 ソーシャルメディアの紹介と併せて、ホームページとフェイスブックのそれぞれの機能を融合させた、コミュニケ―ションと情報の共有化を重視したモデルサイトを提案したいと考えているところです。 
| runway | NPO活動 | 11:11 | comments(2) | trackbacks(0) |
ヒッグス粒子発見で思うこと
テレビや新聞で「ヒッグス粒子 発見」のニュースが報じられています。

実験がおこなわれたところは、欧州原子核研究機構(CERN)です。
新しい事実が見つかり、これまで謎とされていたことが解き明かされると、わくわくした気分になります。

 

よく、こういう研究は何の役に立つのだろうという話を聞きます。たしかに、今回の粒子の発見が私たちの生活にすぐに影響を与えることはないでしょう。しかし、こうした研究を行う過程で生みだされた新しい技術が、実は私たちの生活に役立っていることがあります。

 

加速器を使った実験では大量のデータが発生します。このデータの中から貴重な結果を探す作業は、広大な砂漠の砂の中から一粒のダイヤを探すような気の遠くなる話によく例えられます。

 

インターネットがまだ普及していない時代に、HEPnetHigh-Energy Physics Network)というコンピュータネットワークを世界の主要大学や研究機関に張り巡らせ、世界中の多くの研究者が実験データを共有しながら解析作業をおこないました。

その時に実験情報や解析結果などの交換を円滑にするため、ホームページに必要なHTMLHTTP、それにWebブラウザの原型がCERNで開発されたのです。このことが物理学を発展させただけでなく、インターネットが急速に普及するきっかけにもなりました。

 

今では私たちの生活に不可欠なものになったインターネット、WWW発祥の地といわれるCERNがその礎を作ったといえます。
| runway | 独り言 | 04:40 | comments(1) | trackbacks(0) |